川崎市川崎区港町の多摩川河川敷で中学1年、上村遼太君(13)の遺体が見つかった殺人、死体遺棄事件で川崎署捜査本部は27日、殺人容疑で男子高校生(18)を逮捕した。関与を否定しているという。別に少年2人の逮捕状を取っており、容疑が固まれば逮捕する方針。逮捕された高校生はグループのリーダー格だったとみられている。
捜査関係者によると、上村君が友人と交信していた無料通信アプリ「LINE(ライン)」の通信記録を取り寄せて分析。河川敷近くの防犯カメラに写った映像の解析などから3人が浮上した。
上村君は19日夜、自宅で母親と食事した後に外出し、20日午前2時ごろ、死亡したとされる。死因は刃物で首を傷つけられたことによる出血性ショックだった。母親に「食べる?」とパンを差し出したのが最後の会話だったという。
上村君は今年に入り友人に、年上のグループから暴力を受けていると打ち明け「殺されるかもしれない」と漏らしていたことが、友人への取材で分かっている。逮捕された男子高校生はこのグループでリーダー的な役割を果たしていたとされる。
抜け出そうとした上村君は「暴力が激しくなった」と悩んでおり、捜査本部は交友関係を中心に、慎重に捜査を進めていた。
上村君の遺体に着衣はなく、首の後ろから横には、鋭利な刃物による切り傷や刺し傷が集中。顔や腕にも切り傷があった。複数のあざもあり、捜査本部は激しい暴行を受けた可能性があるとみている。
現場から約700メートル離れた公園のトイレでは20日午前3時ごろ、ぼやが発生。焼け焦げた靴底などが見つかっており、捜査本部は証拠隠滅のため燃やされたとみて調べている。〔共同〕