捜査情報を漏らした見返りに暴力団関係者から現金を受け取ったとして収賄罪や地方公務員法(守秘義務)違反などの罪に問われた福岡県警の元警部補、中村俊夫被告(51)らに対する控訴審判決公判が27日、福岡高裁であった。林秀文裁判長は収賄罪を無罪とした一審判決を破棄し、懲役2年6月、執行猶予5年、追徴金10万円の有罪判決を言い渡した。
贈賄罪に問われ、一審でそれぞれ無罪となった梶原勇樹被告(33)と梅崎高洋被告(34)については審理を福岡地裁に差し戻した。
中村被告は2012年2月に発生した恐喝事件の捜査情報を漏らし、贈賄側の2被告から福岡東署の駐車場に止めた車内で翌3月に約10万円を受け取ったとして起訴された。13年11月の一審・福岡地裁判決は収賄は無罪とする一方、地方公務員法違反罪と犯人隠避罪で中村被告の有罪を認定し、懲役1年、執行猶予3年とした。
この日の判決は、捜査段階の自白の信用性を認定。「暴力団を根絶する立場にありながら、関係者と親密になり賄賂まで受け取り、厳しい非難に値する」と指摘した。