【北京=山田周平】中国国家統計局は10日、2月の消費者物価指数(CPI)が前年同月に比べ1.4%上昇したと発表した。1月の0.8%上昇に比べ持ち直したものの、卸売物価指数は4.8%下落と下落幅が7カ月連続で拡大した。
中国の李克強首相は5日、2015年通年のCPI上昇率を3%前後とする目標を発表したばかり。しかし、足元では中国景気が減速し、需要が鈍る状況が続いている。
2月のCPIをみると、全体の3割を占める食品の価格は2.4%上昇し、食品以外は0.9%上昇だった。1月に比べ上昇幅が広がった理由について、国家統計局は「春節(旧正月)期間に生鮮食料品の需要が伸び、価格が大幅に上がった」ことを指摘した。
卸売物価指数は2月まで36カ月連続で前年水準を下回った。2月の下落幅は12年3月に始まった下落局面で最大。景気減速に伴う企業間取引の冷え込みに加え、原油価格の下落で石油加工品などの価格が下がっているのが響いている。