【ソウル=加藤宏一】左派系団体の韓国人の男に顔を切りつけられ、重傷を負ったリッパート駐韓米大使は10日、入院先のソウル市内の病院を退院した。リッパート大使は記者会見で、「今回の事件で韓国に対する愛情はさらに深まり、米韓の絆もより強固になった」と指摘した。切られた右ほおには大きな傷痕が残ったまま。韓国語で「共に進もう」などと話した。
リッパート氏は5日、ソウルで開かれた会合に出席した際、米韓合同軍事演習への反対を叫ぶ男から右ほおなどを切られ、ほおに80針の縫合手術を受けた。朴槿恵(パク・クネ)大統領は9日、外遊先の中東から帰国後すぐに駆けつけ、大使を見舞ったほか、与野党の代表らも相次ぎ見舞うなど、米韓関係への配慮をにじませている。