地元石川県出身のアスリートが故郷でまばゆい光を放った――。陸上の全日本競歩能美大会は15日、同県能美市日本陸連公認コースで行われ、男子20キロで鈴木雄介選手(27)が1時間16分36秒の世界記録を樹立した。関係者は興奮を隠せず、感嘆の声が次々と上がった。
レースを見守った鈴木選手の母、恵子さん(59)は、目の前を通る息子に大きな声援を送った。「『頑張って、頑張って』と言っていたら、人さし指を口元に当てて。余裕あるなと思った」とうれしそうに話した。
鈴木選手は8月に北京で開催される世界選手権の代表にも決まり、ゴール後には観客から「北京でも頼むぞ」という声が飛んだ。
日本陸連は日本記録樹立時の対応は想定していたが、鈴木選手の記録はそれを上回る世界新記録。横川浩会長は「日本記録の看板は用意していたけれど、世界記録の看板は用意していなかった。鳥肌が立つものを見せてもらった」と興奮を隠せない様子だった。〔共同〕