【エルサレム=共同】イスラエルのリブリン大統領は25日、総選挙で最大議席を得た右派リクードを率いるネタニヤフ現首相に組閣を指示した。ネタニヤフ氏は事実上の次期首相候補として極右政党などとの連立を目指して本格交渉に入る。組閣期限は6週間。
極右「ユダヤの家」は、パレスチナ国家との「2国家共存」を目指す中東和平交渉を否定する立場。中東和平に積極的な政党の参加は見込まれておらず、パレスチナ問題で強硬な新政権となる可能性がある。暗礁に乗り上げている和平交渉の再開が遠のく恐れもある。
イラン核問題での強硬姿勢も維持されるとみられる。オバマ米大統領との冷え込んだ関係も続きそうだ。
地元メディアなどによると、リブリン氏は、対米関係改善や、イスラエル国内のユダヤ系住民とアラブ系住民の「亀裂の修復」などが重要だと指摘した。
17日に行われた総選挙で120議席のうちリクードは30議席を獲得。ネタニヤフ氏支持の「ユダヤの家」、極右「わが家イスラエル」、新党クラヌ、宗教政党などを合わせれば計67議席になる。
地元メディアによると、極右各党は、国防相や外相ポストを要求。リクード内には重要ポストを他党に渡すことに反発する声もあり、連立交渉の難航も予想される。