26日告示された10道県知事選は、自民、民主両党による実質的な対決が北海道、大分にとどまり、政党の対決色が薄くなったことから、主要政党の多くが党首の第一声を見送る異例の幕開けとなった。
候補者の第一声を聞く有権者ら(26日午前、横浜市西区)
自民党は谷垣禎一幹事長が奈良県知事選で同党が推薦する現職の応援に入る。街頭演説で政府の地方創生策などを訴える。自民、民主両党による実質的な対決となった北海道知事選は、茂木敏充選挙対策委員長が現職の出陣式に駆け付ける。北海道では29日告示の札幌市長選も自民、民主対決の構図になっている。
公明党は幹部による知事選の応援は見送り、4月3日告示の道府県議選に注力する方針だ。山口那津男代表は26日の中央幹事会で「全員当選をめざす」と語った。
民主党は知事選で「対立候補を擁立して闘う基礎体力がない」(岡田克也代表)として、対決構図づくりを回避した。知事選での支援は地方レベルにとどまり、岡田氏は選挙戦を通じて遊説などの予定はない。岡田氏は26日、国会内で「北海道と大分は事実上の対決型だ。しっかり闘っていただきたい」と述べた。
知事選の党本部推薦が福岡にとどまる維新の党も幹部の第一声は見送った。「大阪都構想」の是非を問う5月17日の大阪市の住民投票の前哨戦と位置づける大阪府議選と大阪市議選に集中する。
神奈川で候補者を推薦した共産党の志位和夫委員長は横浜市のJR横浜駅前で第一声を上げた。安倍政権の安全保障法制を「米国の戦争に自衛隊が参戦する戦争立法だ」などと批判する。
社民党の吉田忠智党首は都内で演説。次世代の幹部や生活の党と山本太郎となかまたちの小沢一郎代表は第一声を見送った。日本を元気にする会の幹部は都内で独自の政策を訴える。