【ワシントン=吉野直也】訪米中の自民党の高村正彦副総裁は26日、ワシントン郊外などでカーター米国防長官ら政府、議会の要人と会談した。高村氏は自衛隊の海外活動を広げる新たな安全保障法制を説明し、関連法案について「国会を延長して、できるだけ早く通したい」と述べ、6月24日までの会期を延長して成立させる考えを示した。
カーター氏は「歴史的な取り組みであり、高く評価している。しっかり進めてほしい」と伝えた。来月26日からの安倍晋三首相の米国訪問に関して「日米同盟の堅固さを世界に訴える場にしなければならない。米国もそれに協力する」と語った。
自衛隊と米軍の役割分担を定めた日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の改定を巡っては、高村氏が「安保法制と整合性を持って進める」と表明し、カーター氏も同意した。
この後、高村氏はバイデン米副大統領に電話した。環太平洋経済連携協定(TPP)に関しては高村氏が「オバマ政権に強力な交渉権限を与える法案が米国で早期に成立することに期待する」と指摘。高村、バイデン両氏は早期に日米2国間の交渉を決着させ、各国との交渉を加速させる方針を確認した。
高村氏はカーター、バイデン両氏らとの協議で、米側の関心が高い米軍普天間基地の移設や、安倍首相が8月に発表する戦後70年談話の問題は「出なかった」と述べた。記者団の質問に答えた。高村氏は知日派の野党、共和党のニューネス下院議員とも懇談し、安保関連法案の成立のための今国会の会期延長を明言した。