【カイロ=押野真也】3月28、29日に実施したナイジェリアの大統領選挙で、現職のジョナサン大統領が3月31日夜(日本時間4月1日未明)までに敗北を受け入れた。選挙管理委員会による正式な開票結果は発表されていないが、1999年の民政移管以来、初の政権交代が確実な情勢だ。今後は政策の継続性が焦点となる。
AP通信によると、現職のジョナサン大統領は対抗馬で野党候補のブハリ元最高軍事評議会議長に対し、電話で祝意を伝え、敗北を認めた。これに先だって、ブハリ候補は勝利を宣言していた。ブハリ候補は1983年のクーデターを主導し、軍政を率いた経歴から「強い指導者」とのイメージを強調。汚職撲滅に取り組んだ実績をアピールして支持層を広げた。
現地からの報道によると、ブハリ候補の勝利が確実だと伝わった31日夜には、同候補の支持者が多い北部を中心に街頭で歓声を上げ、歓喜する市民が多く見られた。
2011年の前回の大統領選では、結果を巡って対立する陣営の支持者などが衝突。双方で合わせて800人以上が死亡したとされる。今回も同様の事態発生を懸念し、治安部隊が市街地に配置され、当面は治安維持にあたるもようだ。
ナイジェリアの過激派「ボコ・ハラム(西洋の教育は罪)」は選挙の実施自体に反対し、選挙当日には投票所を襲撃し、最低でも14人が死亡した。治安当局は陣営同士の衝突のほか、選挙の結果が発表されるタイミングなどを狙ってボコ・ハラムのテロが起きないか警戒している。