四国電力の千葉昭社長は31日の記者会見で、2015年度の供給計画を発表した。長期的な安定電源の確保に向けて、西条火力発電所1号機(愛媛県西条市)の建て替え(リプレース)を盛り込んだ。審査が進んでいる伊方原子力発電所3号機(愛媛県伊方町)の再稼働については、安全対策などを盛り込んだ書類の提出が4月に後ずれするとの見方を示した。
西条火力1号機の現在の出力は15.6万キロワット。運転開始から49年が経過し、同社の火力発電所の中でも古いため、建て替えで出力を増強する計画だ。今後、自社での応札を前提に入札を実施。22年度から運転を開始する計画で、出力は50万キロワットと大幅に増える。「最新の石炭火力の設備を導入し、安定供給を図っていく」(千葉社長)。入札上限価格は公表しないとしている。
15年度の販売電力量は節電の動きが続くが、緩やかな景気回復が見込まれるとして266億キロワット時と14年度見込み(264億キロワット時)に比べて微増を見込んでいる。
ただ、販売電力量は24年度も266億キロワット時と、15年度比で横ばい圏で推移する見通しだ。景気の回復を前提としているが、節電の動きが今後も続くことに加え、16年の電力小売り全面自由化の影響が出てくると同社はみている。
一方、供給については伊方原発の再稼働の見通しが不透明なためとして、4年連続で「未定」とした。千葉社長は「(再稼働時期の見極めで)内容が示せるようになったら改めてお知らせしたい」と述べた。
伊方原発の再稼働については、審査合格に必要となる原子力規制委員会への補正申請書の提出時期が4月に後ずれするとの見方を示した。千葉社長は「20日の審査会合で火山灰の評価に関する指摘があり、来月にずれ込まざるを得ない」と話し、早期に書類を提出できるように努力する考えを示した。同社は当初、補正申請書の提出時期を2月としていたが、その後、3月にずれ込むとしていた。
ただ、再稼働時期については「年内の早いうちに再稼働させたい」と改めて述べ、書類の提出がずれ込んだ場合でも従来の再稼働時期の見通しに影響はないとの見方を示した。