【ソウル=小倉健太郎】北朝鮮の朝鮮中央通信は2日、北朝鮮が「日本の政治的挑発と主権侵害が度を超えている」として同日、日本に通知文を送ったと報じた。在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の許宗萬議長の自宅の家宅捜索などを批判して「このような状態では朝日政府間の対話もできない」としている。
拉致問題の再調査や日本の一部制裁解除などを盛り込んだ2014年の日朝合意について「我々は誠実に履行している」と強調。日本は「拉致問題を双方の間で解決することにした合意を破り、国連を通じて問題を国際化」したとして、信頼できなくなったと伝えた。
拉致問題を巡っては14年7月に北朝鮮が再調査を始めた。9月にも最初の報告を受ける予定だったが北朝鮮が先送りを通告し、実現していない。日本政府は4月13日に期限を迎える日本独自の制裁措置の2年延長を決めた。
日本政府は北朝鮮側の真意の分析を進めた。政府高官は2日、記者団に「(報道に関して)報告は受けている」と述べるにとどめた。3日に安倍晋三首相が約1年ぶりに拉致被害者家族会と面会するのを前に揺さぶりをかけたとの見方もある。