仕入れの水増しや架空経費の計上で総額約1億7千万円の法人税と所得税を脱税したとして、東京国税局が東京都港区の不動産会社「池田工業」の池田孝一会長(72)と長男の昌宏社長(45)を法人税法違反と所得税法違反の疑いで、東京地検に告発していたことが8日分かった。法人税法違反容疑で、法人としての同社も告発した。
関係者によると、2人は同社の仕入れを水増ししたり、架空の減価償却費を計上したりする方法で、2014年2月期までの3年間に約3億円の所得を隠し、法人税約8800万円を免れた疑いがもたれている。
2人は個人事業者としても不動産業を営んでおり、13年までの3年間に虚偽の修繕費を計上するなどして、会長が約2億円の所得を隠して所得税7600万円を免れた疑いがあり、社長は4千万円超を隠して所得税約1500万円を免れた疑いがある。
同社は取材に「当局の指摘を受け、指示に従って納税した」と回答した。民間調査会社などによると、同社は1969年創業。14年2月期の売上高は約52億円。