【シカゴ=野毛洋子】オバマ大統領のお膝元シカゴで7日、大統領の元側近で首席補佐官だったラーム・エマニュエル現市長の2期目続投を問う市長選の決選投開票があり、現職の勝利が確実になった。決選投票は初。エマニュエル氏は2月の市長選で過半数を獲得できず決選投票に追い込まれていた。
現地時間午後10時半(日本時間8日午後0時半、開票率98%)時点でエマニュエル氏の得票率は約56%。対抗馬でメキシコ系アメリカ人のヘイスース・ガルシア氏(クック郡委員)は44%だった。
エマニュエル氏は7日夜に勝利宣言した。「この先40年のシカゴを決める政策を実行する」と述べ、財政再建などに取り組む意欲を示した。
決選投票の大きな争点になったのがシカゴ市の財政問題。同市は約268億ドル(約3兆2000億円)に上る公務員年金をはじめ巨額な負債を抱えている。ガルシア氏は具体的な財政再建の道筋を示せず、敗北につながったようだ。
エマニュエル氏は公立校の大量閉鎖や企業誘致、都市開発に力を入れたため「(富裕層のための)1%市長」と批判を浴びた。決選投票では1期目の成果に加え、有権者の声に耳を傾ける姿勢を訴え、支持を増やした。「市民は財政問題の解決能力が高い市長を選んだ」(ルーズベルト大学のポール・グリーン教授)との声が聞かれた。