【パリ=竹内康雄】フランス政府は8日、自動車大手ルノー株を証券会社から買い増すと発表した。仏政府はすでにルノーの筆頭株主で15.01%の株式を持つ。最大12億3200万ユーロを投じ、19.74%に引き上げる。
フランスでは14年に2年以上の株式保有には2倍の議決権が与えられる法改正が成立。ただ株主が拒否した場合は、1株1議決権が維持される。30日のルノー株主総会には現行制度存続を求める議案が出されており、仏政府の買い増しにはこれを否決する狙いがある。
仏政府は声明で「長期的に、ルノーへの出資比率を増やすつもりも減らすつもりもない」と、総会での採決後は追加購入分は手放すと説明した。