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選択の春、託したそれぞれの思い 統一地方選前半戦

作者:佚名  来源:nikkei.com   更新:2015-4-13 8:52:44  点击:  切换到繁體中文

 

統一地方選の前半戦となる10道県知事選や41道府県議選などが12日、投開票日を迎え、各地で有権者が投票所に足を運んだ。子育てへの支援、農業の振興、地域の活性化――。暮らしに直結する課題に取り組み、未来につながる道を開いてほしい。地方自治を担う知事や議員に奮起を求める声が相次いだ。


■神奈川県知事選


神奈川県知事選では、現職の黒岩祐治氏(60)が再選を決めた。県が毎年実施している県民ニーズのアンケート調査では、子育て支援への期待が常に上位につけている。有権者からは、保育所のさらなる整備など政策の充実を求める声が聞かれた。


相模原市中央区の主婦(40)は12日午前、幼稚園に通う長男(5)の手を引いて市役所の投票所に足を運んだ。「月3万円の保育料や給食費が家計に大きな負担」というが、日々の育児に追われ、仕事に就くメドはたたない。「休暇を取得しやすいなど女性の働きやすい環境づくりも整備してほしい」と話した。


県内の保育所の待機児童数は昨年10月時点で約2800人で、4年連続で減少した。


ただ、横浜市で子育て支援活動を続けるNPO法人の理事長、山根誠さん(73)は「保育所が見つかっても、自宅から遠かったり、きょうだいで別々の保育所に預けなければならなかったりする実態がある。本当の意味での待機児童の解消を目指してほしい」と注文を付けた。


■北海道知事選


北海道知事選は現職の高橋はるみ氏(61)が4選を果たし、「身が引き締まる思い」。日本有数の農業地域である北海道は、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉や農協改革など、農業を取り巻く急速な環境変化に直面している。


十勝地方で乳牛約300頭を飼育する60代の酪農家の男性は、飼料の高騰などで「経営環境は厳しい」と嘆く。農協改革などを念頭に「日本の農業がどこに向かおうとしているのか、展望が見えなくなっている」。そのうえで行政には「規模拡大や新規就農など、新しいことにチャレンジする農家をもっと支援してほしい」と要望する。


帯広市の野菜農家、馬渕豊さん(55)は、「農業も国際的な競争に向かう流れは必然」と受け止める一方、「意欲ある人が流出し、地方経済は疲弊している」とも。「1次産業は雇用への貢献も大きい重要な産業。知事には現状を打破するような取り組みを求めたい」と話す。


■大分県知事選


大分県知事選で4選を果たした現職の広瀬勝貞氏(72)は「実績の上に新しい政策を積み上げることが大事だ」と強調した。多くの地方と同様、地域の人口減や高齢化への対応を迫られており、温泉をはじめとした観光資源で観光客を呼び込むなど、地域振興が大きな課題だ。


由布市湯布院町で温泉旅館を経営する桑野和泉さん(50)は「観光地として生き残っていくため、外国人観光客を招く環境や交通インフラの整備などで、九州の他県と一体となって戦略を練ってもらいたい」と期待を込める。


日田市で40年以上にわたって革靴専門店を営んできた苑田誠一さん(74)は「大型店の進出や住民の高齢化で、自助努力にも限界がきている」とため息。商店街に新規出店する人に自治体から補助金が出る制度はあるが、「補助金が出る期間が終わったとたんに街から出ていく人も多い。行政は長期的な視点で街づくりを考えてほしい」と話していた。



 

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