【シンガポール=共同】国際刑事警察機構(ICPO)が世界の複数の国にまたがる犯罪に対処するためシンガポールに設置したサイバー犯罪対策拠点「IGCI」が13日、本格始動した。トップの総局長は、警察庁から派遣されている中谷昇氏(46)が務める。
サイバー犯罪の手口を解析し、ICPO加盟の190カ国・地域の捜査機関との情報共有も進める考え。民間の情報セキュリティー専門家とも協力する。
中谷総局長は「ネット犯罪はグローバルな問題で、ICPOが取り組まなければならない。世界中から優秀な捜査員や技術者が集まっており、各国の捜査機関から頼りにされる存在になりたい」と抱負を語った。
ICPOのサイバー犯罪担当者は3年前まで3人しかいなかったが、欧米やアフリカの加盟国から捜査員が続々と派遣され、20カ国以上から計約120人が集まった。民間の情報セキュリティー会社からも専門家8人をスカウト。6人が日本企業からの出向者だ。
金融機関のシステムなどを狙うサイバー攻撃のほか、薬物や武器を違法に販売する「闇サイト」の監視にも力を入れる。