カーナビゲーションシステム大手2社の収益が回復する。2016年3月期の連結営業利益はクラリオンが前期比約9割増え、JVCケンウッドは2割増えるもようだ。自動車メーカー向けにカーナビや車載カメラなどの販売が伸びる。
各社はカー用品店など国内市販市場の低迷で13~14年3月期に業績が悪化した。その後、人員削減など合理化を進め収益体質は改善している。
新車に搭載するOEM(相手先ブランドによる生産)市場は自動車メーカーの生産台数に左右される。今期は国内需要の回復は鈍いが、欧米や中国などは拡大が続く。
クラリオンの営業利益は9割増の100億円前後を見込む。今期から国際会計基準を適用し単純比較はできないが、04年3月期の最高益(104億円)に迫る。国内生産比率の向上などで円安も収益を押し上げる。
JVCケンウの営業利益も90億円前後と2割増えるもようだ。イタリアの車載用音響機器メーカー、伊ASKインダストリーズの買収で10億円弱の利益が加わるほか、国内の自動車メーカー向け販売も堅調を見込む。
一方、パイオニアとアルパインの営業利益は横ばいとなりそう。パイオニアは海外販売は堅調だが、新製品開発案件の増加に伴い人件費や業務委託費がかさむ。アルパインは強みの国内市販市場で競争激化を見込んでおり、収益が伸び悩む。