鉄道総合技術研究所(東京)などが、一定温度以下で電気抵抗がゼロになる「超電導」現象を活用した蓄電システムを開発した。大容量の電力を長期にわたって蓄えられ、自然エネルギーと組み合わせた電力の安定供給が期待されている。
直径2メートル、重さ約4トンの炭素繊維でできた円盤を真空容器内で高速回転させることで、電力を運動エネルギーとして蓄え、必要に応じて電力に変換する仕組み。円盤は超電導磁石の磁気で浮いており、摩擦が生じずエネルギー効率が高い上、劣化することがなく寿命が長いことが特徴だ。
リニアモーターカーの開発に携わり、超電導技術をもつ鉄道総研が、2012年から山梨県企業局などと共同研究を進めていた。太陽光や風力など天候に左右される発電システムと組み合わせて電力供給を安定化させるほか、鉄道を動かす電力システムの効率化など、広い範囲での活用が見込まれる。
今夏にも、山梨県が運営する甲府市内の大規模太陽光発電所(メガソーラー)に接続する実証試験を始める予定だという。〔共同〕