国土交通省は18日までに、崖崩れや土石流などの重点対策を実施する「土砂災害警戒区域」指定の前提となる基礎調査が、2019年度末までに全国で終わる見通しとなったと発表した。昨年起きた広島市の大規模災害を受け、対策を急ぐよう各都道府県に求めていた。約65万ある危険な地域のうち、6割程度にとどまっている区域指定が進みそうだ。
調査完了時期を当初予定より大幅に早めた自治体も多く、費用やノウハウの面で国の支援充実が求められる。
国交省が各都道府県から聞いたところ、約65万の危険地域のうち、基礎調査が完了しているのは約42万地域だった。
青森など12県は既に全地域で終えた。完了予定時期は15年度が5府県、16年度5府県、17年度1県、18年度4都県、19年度20道県となっている。国の求めに応じ、当初予定より10年以上前倒しした県もある。
国交省によると、調査を終え警戒区域に指定されているのは全国約40万地域で、このうち、さらに危険な特別警戒区域は約24万地域(3月末時点)。
広島市の災害では、現場の多くが警戒区域に未指定だったことが問題となった。このため、昨年成立した改正土砂災害防止法は、基礎調査が進まない都道府県に国が是正要求できると規定。国交省は、各都道府県に対し基礎調査を「おおむね5年程度」で終えるよう求めていた。〔共同〕