【ソウル=共同】韓国政府は22日、昨年4月に同国南西部、珍島沖で沈没した旅客船セウォル号の船体を引き揚げることを決めたと発表した。数日以内に業者選定などの準備に取り掛かり、9月中の現場作業開始を目指すとしている。
準備作業開始から引き揚げ完了まで最長1年半かかるとし、船体が海中から姿を現すのは来年秋ごろになりそうだ。最大で約2千億ウォン(約220億円)の費用がかかると見込んでいる。
沈没事故では295人が遺体で見つかり、依然9人が行方不明。不明者の家族は昨年11月、海底の船内捜索は危険だとして捜索打ち切りに同意したが、船体を引き揚げて不明者を捜すよう求めていた。
事故から1年の今月16日に朴槿恵大統領は引き揚げに前向きな考えを示した。しかし大統領が引き揚げを確約しなかったことに家族側は反発。ソウル中心部でデモ隊と機動隊が衝突するなど混乱が続いた。