福岡県中間市で2008年に暴力団工藤会系組幹部(当時66)が射殺された事件で、福岡県警は23日にも、殺害に関与した疑いが強まったとして、同会幹部、木村博被告(62)=恐喝未遂などの罪で公判中=を殺人などの疑いで再逮捕する方針を固めた。立件対象は組関係者ら数人に上る見通し。捜査関係者への取材で分かった。
事件は08年9月に起き、工藤会系組幹部が中間市の自宅で胸などを拳銃で4発撃たれ、殺害された。県警は内部でトラブルがあったとみて調べている。
同事件では、実行役の工藤会系組幹部が殺人などの罪に問われ、一審・福岡地裁小倉支部判決は無罪としたが、二審・福岡高裁判決で無期懲役の逆転有罪。13年に最高裁が上告棄却し確定した。裁判員裁判の対象から除外された全国初のケースでもあった。
福岡県警は昨年9月以降、工藤会最高幹部らを相次ぎ逮捕。県警によると木村被告は一時、事実上の同会トップを務めていた。
木村被告は今年1月以降、組事務所が入居する北九州市のビルを脅し取ろうとしたとして、県警に恐喝未遂容疑などで2回にわたり逮捕され、その後に同罪などで起訴された。福岡地裁で今月21日に開かれた初公判では起訴内容を認め、検察側が懲役4年を求刑し即日結審した。