宇宙航空研究開発機構(JAXA)は25日までに、ロシアのソユーズ宇宙船で5月27日に国際宇宙ステーションへ向かう宇宙飛行士の油井亀美也さん(45)の宇宙での活動内容を発表した。宇宙で人工的に作り出した重力によって生物がどんな影響を受けるかを調べる実験準備や、超小型衛星の放出などに携わる。
宇宙のようにほとんど重力のない状態で長く過ごすと、人間は筋肉や骨が弱る。将来の有人火星探査を実現するうえで大きな課題になっている。
油井さんは筑波大などが計画した実験の一部を手がける。人工的に重力を作り出した装置と、無重量の状態のかごの中でマウスを飼育するための準備をする。油井さんは装置の点検などを担う。
マウス実験は来年以降の予定で、地球に戻して遺伝子が変化するかなどを調べる。骨や筋肉が弱るのを防ぐ薬などを開発して有人火星探査につなげるとともに、骨粗しょう症などの治療にも役立てる。
このほか、細かいちりなどを捕獲して宇宙の起源や地球生命のもとになった物質を探る実験や、宇宙の強い放射線に耐えられる材料の試験なども手がける。油井さんは約半年間、ステーション滞在し、11月に帰還する予定だ。