【バクー(アゼルバイジャン東部)=中村亮】日中韓と東南アジア諸国連合(ASEAN)の財務相・中央銀行総裁会議などに出席するためアゼルバイジャンの首都バクーを訪問中の黒田東彦日銀総裁は2日(日本時間3日未明)、物価上昇の基調に変化があれば「ちゅうちょなく金融政策を調節する」と従来通りの考え方を示した。記者団の取材に応じた。
4月末に発表した展望リポートでは、物価上昇率2%の目標を達成する時期を「2015年度を中心とする期間」から「16年度前半ごろ」に後ろ倒しした。それでも黒田総裁は「物価上昇の基調は想定どおりだ」と改めて強調した。
アジア開発銀行(ADB)の前総裁でもある黒田氏は膨大なアジアのインフラ需要を満たすには民間資金の導入や債券市場の育成が必要と指摘。一方で中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)と日本の関係については「政府で議論している」と述べて、コメントを避けた。