死亡した両親が生きているように装い年金を不正受給したとして、岐阜県警恵那署は7日、同県恵那市長島町正家の無職、鈴木光枝容疑者(86)を詐欺などの疑いで逮捕した。
同署によると、鈴木容疑者の父は1968年7月、母は65年4月にそれぞれ死亡。生きていればいずれも110歳を超えていた。約半世紀の間に総額5千万円以上を不正に受け取ったとみているが、大部分は公訴時効(7年)が成立している。
日本年金機構多治見事務所が、2人があまりに高齢のため恵那市に問い合わせ、死亡届が出されているのを確認。今年3月に詐欺容疑などで告発していた。
機構の担当者は「現況届を受け取った以上、基本的には信用するしかなく不正受給に気付くのは難しい。防止策を検討していく」と話している。
逮捕容疑は、両親が生きているとした虚偽の現況届を日本年金機構に提出し、2013年4月~14年12月、計11回にわたり約260万円の厚生年金をだまし取った疑い。〔共同〕