9日午前10時50分ごろ、御開帳が開かれている長野市の善光寺境内に、小型無人機「ドローン」が落下した。浄土宗による御開帳期間中の主要行事「中日庭儀大法要」の最中で、境内には大勢の僧侶や見物客がいたが、けが人はなかった。
小型無人機「ドローン」が落下した善光寺山門前(9日、長野市)=共同
長野中央署によると、飛ばしたのは自称横浜市の少年(15)。インターネット上に行事の様子を上空から撮影した動画があり、署は少年がドローンを使って撮影していたとみている。署は人にぶつかれば、けがをする恐れがあるとして、場所をわきまえて飛ばすよう口頭で注意した。カメラなどを調べた上で返却する方針。
少年本人が寺近くの派出所に申し出た。「飛ばす練習をしていたら風にあおられて落ちた」と話しているという。
ドローンは約400グラムで、30センチ四方ほどの大きさ。僧侶ら数百人の行列が本堂に向かって歩いていた際、近くの石畳の上に落ちた。千葉県市川市のデザイナー柴藤愛林さん(36)は「ブーンという羽音のようなものが聞こえて、見上げると山門の陰からドローンが出てきた。人に当たったら危なかったと思う」と話した。
善光寺の清水雄介庶務部長は「報道関係者には空撮禁止を告知していたが、一般人がドローンを飛ばすとは思わず驚いた。祈りの空間でこのような騒ぎになってしまったのは残念」と語った。〔共同〕