【モスクワ=田中孝幸】ウクライナ政府軍は3日、同国東部の親ロシア派武装勢力の1千人規模の戦闘員が主要都市ドネツク近郊の町マリインカに侵攻したと発表した。地元メディアによると一時大規模な戦闘となり、軍の兵員2人が死亡した。
マリインカは政府側がまだ管理下に置いているとみられる。ヤツェニュク首相は「ロシアが(親ロ派に)軍事侵攻を命じた」と非難した。一方、親ロ派幹部はマリインカへの攻勢を否定。政府軍の攻撃に自衛を迫られたと説明した。
ウクライナ東部では2月に停戦合意が発効したが、局地的な戦闘は依然として続いている。北大西洋条約機構(NATO)によると最近、親ロ派へのロシア側からの兵員や武器の流入は増えつつあり、本格的な戦闘が再燃するとの懸念が広がっている。