甘利明経済財政・再生相は5日の閣議後記者会見で、日本年金機構の個人情報流出問題を受け、社会保障と税の共通番号(マイナンバー)制度に年金情報を結びつける時期について「今回の事件をしっかり検証し、導入時期を考えていきたい」と述べ、適用時期を見直す可能性も含めて検討する意向を示した。
甘利氏は「全体のスケジュールについてはそのまま進めていく」との方針を強調した。
マイナンバー制度では今年10月から各自治体が住民に番号を通知し、2016年1月から国や自治体などが税、社会保障、災害対策の3分野で利用を始める。17年1月からは各機関の情報をオンラインで結ぶシステムが稼働。個人はインターネット上の専用ページで年金保険料の納付状況や年金の給付記録を確認できるようになる。
菅義偉官房長官は記者会見で「今回の日本年金機構の問題を検証しないといけない。包み隠さず国民に結果を発表し、原因究明がまずは大事だ」と述べるにとどめた。