【エルマウ=吉野直也】オバマ米大統領は8日、主要7カ国(G7)首脳会議の閉幕を受けて記者会見した。ロシアが停戦合意を破ってウクライナの主権を侵害していると批判。G7の枠組みで追加経済制裁を準備する考えを強調した。
これまでの経済制裁で「ロシア経済はすでに弱体化している」と指摘。ウクライナとの停戦合意を無視するロシアのプーチン大統領の選択は「ロシア経済を破綻に向かわせる」と断じた。
オバマ氏は中東の過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討作戦について「一定の前進がある」としながらも「まだ不十分だ。イラクはもっと関与しなければならない」と語り、イラク治安部隊の訓練を加速させる方針を示した。
記者会見に先立ちオバマ氏はイラクのアバディ首相と会談した。ISの打倒には「イラク治安部隊と米欧などの有志連合の協調拡大が不可欠だ」と力説。効果的な武器の調達を進めるよう求めた。
アバディ氏は「イラク治安部隊も戦いに関与しているつもりだ。米軍による同部隊への訓練で、IS掃討は成功すると確信している」と答えた。ISは5月、イラク中西部アンバル州の州都ラマディを制圧していた。