30日午前11時半ごろ、神奈川県小田原市上町を走行中の東京発新大阪行きの東海道新幹線「のぞみ225号」の先頭車両で火災が発生し、緊急停止した。警察や消防によると、この火災で男性1人が死亡、女性1人が心肺停止状態で、ほかに複数の人が重軽傷を負っているという。JR東海などによると、乗客の男性が油をかぶって火を付けたとの情報がある。
緊急停止した東海道新幹線「のぞみ225号」の車内でしゃがみ込む乗客(30日午後0時24分、神奈川県小田原市、共同通信社ヘリから)=共同
警察や消防が現場で状況を確認するとともに、トラブルの詳細や原因を調べている。この火災で東海道新幹線は上下線とも運行を見合わせている。
JR東海や国土交通省によると、午前11時半ごろ、新幹線が小田原市上町付近を走行中、車内で非常ブザーが押され、緊急停止した。
先頭車両の運転席に近いデッキ部分で、油をかぶった乗客がいるのを乗務員が見つけ、消火器で消火した。別のデッキにも倒れた人がいたという。
当時、新幹線には約1000人が乗っており、煙が車内に充満するなか、後部方向の車両に移動した。その後、車両内には消防隊員や警察官、JR関係者らが慌ただしく出入りし、乗客の中には手で口を押さえながら線路に降り、逃げる姿もあった。
JR東海の広報担当者は、詳しい状況について「確認できない」としている。
新幹線は午前11時に東京駅を出発。午後1時半すぎに新大阪駅に到着する予定だった。
国交省によると、新幹線は自走可能な状態。警察の現場検証が終わり次第、小田原駅まで移動させて乗客を避難させるという。