政府は2日、ブラジルの自動車を巡る税制優遇措置が世界貿易機関(WTO)協定に違反するとして、協定に基づく協議をブラジルに要請した。ブラジル側は問題ないと主張しており、政府は協定が不調に終わればWTOに提訴する。
自動車に43%の工業品税を課すブラジルは、2012年、税率を13%に減税する優遇措置を開始。優遇の条件として、組み立てやプレスなどをブラジル国内ですることなどを自動車メーカーに求めた。
この条件では国内に製造拠点がないメーカーの輸入車だけ税負担が重くなるため、政府は内外無差別を定めるWTO協定に違反していると判断した。欧州連合(EU)も14年に、同じ内容でブラジルをWTOに提訴している。