トヨタ自動車が計画している新型株式の発行価格が2日、1万598円に決まった。同日のトヨタ株の終値を3割上回り、想定していた仮条件の上限になった。24日に発行し、発行総額は4991億円になる。事実上の元本保証で5年間は原則として換金できないなど、かつてない仕組みの個人向け金融商品となる。
発行する株数は4710万株で、募集期間は3日から22日までになる。新型株は配当利回りがあらかじめ決まっており、国債の利率などと比べて高い。株主総会の議決権もある。関係者によると購入希望額は発行額の4~5倍に達しているという。
トヨタの豊田章男社長は「投資家の選択肢の幅を広げ、資本市場を活性化する」と、新型株の狙いを説明している。新型株は1億5000万株の発行枠を設けており、2回目以降の発行も計画している。
主幹事を務める野村証券の幹部は「銀行に眠っているお金を資本市場に呼び込む受け皿になる」と話している。