【ハノイ=共同】6日から訪米するベトナム最高指導者のグエン・フー・チョン共産党書記長は同日までに米メディアの取材に応じ、今年中にオバマ米大統領がベトナムを訪問するとの見通しを表明した。具体的な時期には言及しなかった。6日付のベトナム国営紙が回答内容を伝えた。
ベトナム戦争後、同国最高指導者として初めて訪米するチョン氏は、南シナ海問題の平和的な解決に向け「米国が適切な発言と行動を続けることを希望する」と述べて継続的な関与を求め「解決への平和的なアプローチを支援する米国の声明」に謝意を表明した。
チョン氏は、戦争終結から40年、国交正常化から20年を迎える2国間関係について「かつての敵国は友人となり協力関係はあらゆる分野に拡大した」と評価。また米国による対ベトナム武器禁輸措置の完全解除に期待する考えを示した。
ブッシュ前大統領、クリントン元大統領も在任中にベトナムを訪問している。
チョン氏は、南シナ海の平和と安定の確保は「1カ国の利益であるだけでなく、地域すべての国の願いだ」と訴えた。
報道の自由の制約など、ベトナムの人権状況を米国が批判している点には「偏見に基づいており根拠がない」と反論したが、人権問題をめぐる対立が2国間関係を損なわないよう、ともに取り組むべきだとの意向を示した。