熊本市教育委員会は3日、2016年度の小学校教諭採用で、1次の筆記試験問題を作成した業者が全50問中29問を市販の問題集から無断引用していたと発表した。市教委は「問題の内容自体は、教員の能力を図る上で適切」として、試験は成立したと判断。不公平にならないよう、引用を除く21問で合否判定をやり直し、30人を追加合格にした。
試験は7月に実施し、213人がいったん合格。その後、引用に関する匿名の指摘を受け、市教委が東京の作成業者に問い合わせた結果、七賢出版(東京)の問題集を写していたことが判明した。市教委は業者に抗議、業者側は「担当者が不慣れで、多忙だった」と説明したという。
市教委は従来、熊本県教委の作った問題を使い同じ日程で試験していたが、今年から「独自性を発揮する」として、オリジナルの問題に切り替えた。ただ、作成は業者に委託しており、市教委は「初めてでノウハウがなく、チェックが甘かった」と釈明している。〔共同〕