毎年11月に開かれる東京外国語大(東京都府中市)の学園祭「外語祭」の出店で、例年販売されている世界各地の料理の多くが、今年は保健所の指導で提供できない可能性があることが7日、大学などへの取材で分かった。保健所が調べた結果、衛生上の規定を満たさないとされたため。学生は食材を変えるなど対策を検討している。
外語祭は、欧州や東南アジアなど27言語の専攻の1年生が開く料理店が「世界の食文化が体験できる」と人気を集める。
しかし都多摩府中保健所(同市)と大学によると、昨年、当時2歳の幼児と母親がカレーを食べた後、下痢や腹痛を訴えた。原因は特定できず、大学側は「食中毒ではない」と判断した。
ただ調べの過程で、料理の一部は同保健所に事前の届け出がなかったことが発覚。大学では5月末、新たにメニューを集約し、約150のレシピを保健所に提出したが、約7割は提供できる食品を定めた規定を満たさないという。
林佳世子副学長は、指導に従うことは不可欠とした上で「問題点を改善し、なるべく多くの料理を出せるよう努力する」と話した。〔共同〕