1989年にオウム真理教幹部らに殺害された坂本堤弁護士(当時33)の遺体が新潟県上越市の大毛無山の山中で発見されて6日で20年となるのを前に、同僚弁護士らが5日、追悼のために現場を訪れた。
97年に建立された慰霊碑に献花。黙とうした後、酒が好きだった坂本さんのために用意したビールや日本酒をそばの慰霊塔にかけ、思い出を語り合った。
坂本さんと児童虐待など子供の問題に取り組んでいた影山秀人弁護士(57)は「救えると信じていたので20年前に遺体が見つかった時は虚脱感に襲われた。坂本君がいてくれたらもっといろんな仕事ができたはずなのに」とうつむいた。
5日午後には妻、都子さん(同29)の遺体が見つかった富山県魚津市の現場近くに立つ慰霊碑も訪問。6日は長野県大町市にある長男、龍彦ちゃん(同1)の遺体発見現場に向かう。
坂本さん一家は89年11月4日未明、横浜市の自宅でオウム真理教幹部らに殺害され、95年9月6日に坂本さんと都子さんの遺体、同10日に龍彦ちゃんの遺体がそれぞれ埋められているのが見つかった。〔共同〕