川崎市は7日、昨年11~12月に入所者3人が転落死した同市幸区の介護付き有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」に関して記者会見し「短期間に3件も起きたのはあまりにも不自然」として、今週か来週にも施設を訪問し、詳細に事情を聴く方針を明らかにした。
今年3月に別の男性入所者(当時83)が入浴中に死亡していたことも明らかにした。「転落死と入浴中の死亡に関連はないと考えている」と説明している。
神奈川県警は転落死に不審点がないか、事件と事故の両面から経緯を慎重に調べている。
記者会見で、高齢者事業推進課の関川真一課長は「昨年まで少なくとも数年間、高齢者が入る市内の施設で転落死はなく、1、2件目の時点で不自然さを感じた。問題の施設から『警察が事故として扱った』と報告があったため(これまで)調査しなかった」と述べた。
市によると、入浴中に死亡した男性は3月7日午後3時半ごろ、個室の浴槽に1人で入っているのを施設職員が確認。約45分後、頭まで湯に漬かった状態になっているのが見つかり、市内の病院に搬送されたが、間もなく死亡した。
施設では他にも、女性入所者から現金を盗んだとして職員が5月に逮捕された。入所者の家族からの訴えで市が6月に実施した監査では、施設職員4人が「死ね」と暴言を吐いたり頭部をたたいたりしていたことが判明し、改善策を報告するよう求めていた。〔共同〕