埼玉県熊谷市の無職田崎稔さん(55)と妻の美佐枝さん(53)が自宅で刺殺された事件で、田崎さん宅から美佐枝さんのスマートフォンがなくなっていることが16日、県警への取材で分かった。犯人が持ち去った可能性もあり、県警は現場周辺を詳しく調べる。
県警は同日、司法解剖の結果、2人の死因は失血死だったと明らかにした。いずれも上半身に複数の深い刺し傷や切り傷があった。
捜査関係者によると、田崎さん宅には現金数万円が残されていた。夫婦は刃物のような物で刺されたとみられるが、凶器は見つかっていない。
県警によると、美佐枝さんは14日午後5時ごろ、散歩に行こうとして友人女性とメールのやりとりをした。女性は美佐枝さんを迎えに行ったが、家から出てくる様子がなかったため引き返した。
女性はその後、連絡がつかなくなったのを不審に思い、近くに住む美佐枝さんの父とともに田崎さん宅を午後6時ごろ訪問。2階洋室で夫婦が血を流して倒れていたため110番した。
一方、捜査関係者によると、女性が、1人で美佐枝さんを迎えに行った際に田崎さんの車に不審な人物が乗っていたのを見たと証言しており、県警が事件との関連を調べている。〔共同〕