安全保障関連法案の参院平和安全法制特別委員会での採決が迫った16日、法案に反対する人たちの抗議活動などが国会の内外で広がり、一部では警察官らと衝突するなど混乱もみられた。
午後6時に始まる予定だった特別委の締めくくり質疑の開催は大幅にずれ込んだ。会場の参院第1委員会室近くの廊下は野党議員や衛視らで埋まった。
「廃案にしろ」などと怒声が飛び交い、身動きのとれない状況に。民主党の蓮舫参院議員が「こんな状態で委員会は開けない」と声を上げると、周囲の議員らは「散会だ」と同調した。
国会周辺の沿道にも多くの人が集まった。「今日決まるかもしれないと聞いて、いてもたってもいられなくなった」。デモは初めてという神奈川県大和市の女性(53)はパートの仕事を早退して駆けつけた。
長野県から来た高校教員、丸山大樹さん(36)は「法案の是非はともかく、強硬なやり方が問題だ。改憲の手順を踏んで進めてほしい」。東京都豊島区の会社員、土肥研一さん(41)も「政権のやり方はあまりに拙速」と憤った。
一方、16日午後に特別委の地方公聴会が開かれた横浜市のホテル前にも、法案に反対する多くの人たちが詰め掛けた。
公聴会終了後、ホテル裏の路上に腕を組んで寝転がり、公聴会出席者が乗ったとみられる車の出発を遮ろうとする人たちも。引きずって排除しようとした警察官ともみ合いになり、現場は一時騒然とした。
同市青葉区の主婦(46)は「公聴会といいながら話を聞いたアリバイとして終わらせる考えが透けて見える。継続審議を望む声を何とかして届けたい」と話した。授業が終わった後に制服姿で父親と駆け付けた同市金沢区の高校3年の女子生徒(17)は「絶対廃案にしてほしい」と訴えた。