財務省が17日発表した8月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は5697億円の赤字だった。赤字幅は前年同月の9532億円から改善した。赤字幅はQUICKが事前にまとめた市場予想の中央値(6204億円)より小さかった。一方で、貿易赤字は5カ月連続で、赤字幅は7月の2684億円から拡大した。輸出の数量指数もマイナスだった。中国向けの自動車部品の輸出が減少した。米アップルが新型スマートフォン(スマホ)「iPhone6」を発売した昨年と比べると、スマホ部品の対中輸出が鈍い。欧州の高額な医薬品が医療費助成の対象になったことも赤字要因になった。
大井ふ頭コンテナターミナル(東京都品川区)
輸出額は3.1%増の5兆8815億円と、12カ月連続で増えた。米国向けの自動車輸出が好調だった。半面、輸出の数量指数は4.2%減と、2カ月連続で低下した。輸出額は円安が進んだことで増加したものの、数量指数は対米で7.7%減、中国で9.2%減と大幅に落ち込んだ。
輸入額は3.1%減の6兆4511億円だった。減少は8カ月連続。中東地域から原油や液化天然ガス(LNG)の輸入額が減った。輸入の数量指数も0.7%下落した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕