【NQNニューヨーク=古江敦子】17日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3日ぶりに反発し、前日比55銭円高・ドル安の1ドル=119円95銭~120円05銭で取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送った。FRBが政策金利の見通しを引き下げたこともあり、円など主要通貨に対するドル売りが広がった。
円安・ドル高が進んだアジアと欧州市場の流れを引き継いで始まったが、FOMCの結果発表後に円は上昇に転じた。FRBはFOMC声明で「最近の世界の経済や金融動向が米経済活動を幾分抑える」とし、短期的に物価上昇を押し下げるとの見方を示した。
政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の見通しでは、15年末と16年末時点の中央値の予想を前回6月から引き下げた。市場では「FRBは金融緩和に積極的な『ハト派』色を強めた」(ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのウィン・シン氏)との受け止めが多く、円買い・ドル売りが次第に強まった。
米長期金利の低下を受け、日米金利差の縮小を見込んだ円買い・ドル売りも入った。
円の高値は119円80銭、安値は120円99銭だった。
円は対ユーロで続落し、前日比1円15銭の円安・ユーロ高の1ユーロ=137円20~30銭で取引を終えた。一時は137円40銭と8月26日以来の円安・ユーロ高水準を付けた。ユーロがドルに対して大幅に上昇し、円に対してもユーロ買いが広がった。
ユーロは対ドルで大幅に続伸した。前日比0.0145ドル高い1ユーロ=1.1430~40ドルで終えた。一時は1.1441ドルと8月26日以来のユーロ高・ドル安水準を付けた。FRBが利上げを見送ったため、ユーロ買い・ドル売りが強まった。
ユーロの安値は1.1294ドルだった。