日本ではいま、中国人観光客による「爆買い」が大きな話題となっています。ただ、中国人から見ると、日本企業の中国人対応は「間違いだらけ」です。中国人の消費性向や心理、行動を知れば、日本製品はもっともっと売れるでしょう。最新の事例を紹介しながら、中国人に売る方法をお伝えしていきます。
世界一のおむつを探す富裕層
週末に自宅周辺のドラッグストアで買い物をすると、中国人らしき人物が何度も出入りしていることに気付きました。手に持っているのは、花王のおむつです。自転車に乗ってどこかに消えていきました。時には、近くにトラックが待機していて、そこに詰め込んだ後、また次のドラッグストアに向かっています。
花王のおむつは、爆買いされています。ここ数年間、ずっと爆買いされているのです。ただし、中国人の観光客に買われているのではありません。おむつは大きいので、スーツケースに入れないです。観光客はこれを1個買ったら、ほかのものを買えなくなります。ですから、観光客は誰も買っていません。
つまり、花王おむつを買っているのは、輸入代行業者です。
中国では、正式統計で毎年1600万人もの子供が生まれています。日本の10倍です。おむつ需要は非常に高いのです。中国で紙おむつを普及させたのは、世界最大の日用化学品のP&G(プロクター・アンド・ギャンブル)です。同社のパンパースは、中国で幼児おむつの6割以上のシェアを持っています。
パンパースは中国国内で生産されています。大きなシェアを持っているので、基本的にはマス向けの商品です。値段も手頃です。中国はもともと格差社会。しかもこれまでは一人っ子政策をとってきたため、子供は1人しか生むことができず、非常に大事にされています。
富裕層は、マス向け商品に満足できないので、わが子のために世界で一番良いおむつを探しています。
そこで目に留まったのが、花王のおむつです。数年前には、まだ花王のおむつは中国に正規輸入されていませんでした。ところが、日本に住む中国人が富裕層の親戚や友人に買ってあげたら、「子供のお尻がかぶれない」と評判になって、中国の口コミサイトで花王おむつはひそかに話題になっていました。
[1] [2] 下一页 尾页