【フランクフルト=加藤貴行】独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス試験の不正問題に関し、独ダイムラーは25日、自社車両の不正はないと発表した。ドイツの非政府組織(NGO)がダイムラーにも疑惑があるとしたのに対し反論した。同社のディーゼル車、ガソリン車とも試験中だけ排ガス量を減らす機能はまったくなく、法的な要件を満たしているという。欧米メディアによると、同様に不正疑惑を向けられている独BMWもこれを否定した。
NGOの「ドイツ環境支援協会」が、ダイムラーを含むドイツ車の窒素酸化物(NOx)の排出量が基準値を上回っていると主張していた。ダイムラーはこれに対し、「我々が不正をしていたとの一切の疑惑を強く否定する」と強調した。
ダイムラーはドイツなど欧米当局の排ガスの試験に自発的に自社車両を提供するほか、NGOに対しては法的な措置も検討すると指摘した。VWの不正問題が他社に広がるのではないかとの不安が広がるなか、ダイムラーは早く沈静化を図りたい考えだ。