【ニューヨーク=黒沼晋】安倍晋三首相は27日午前(日本時間28日未明)、イランのロウハニ大統領とニューヨークの国連本部で約30分会談した。ロウハニ氏はイランとの核協議の最終合意を受けた米欧の制裁解除を念頭に「様々な協力を拡大したい」と表明。運輸・交通、環境、医療品、銀行決済などを列挙した。首相は前向きに考える姿勢を示した。
イランでは核問題による経済制裁で、銀行を通じた資金決済が制限されており、輸出入の阻害要因となっている。ロウハニ氏は「日本の銀行にも協力してもらいたい」と要望した。首相は「核合意の着実な履行が重要だ」としたうえで「制裁解除が進めば問題はなくなる。銀行は様々なことに慎重な傾向だが、イランとの関係の変化を政府として発信したい」と語った。
医薬品や医療機器、環境分野に関する協力関係に関しては「さらに進むよう事務方に指示していく」と指摘。「オールジャパンで、日本の企業の進出をはかり、イランの経済発展に貢献したい」と述べた。両国の投資協定締結交渉を加速することも確認した。