【フランクフルト=加藤貴行】欧州自動車工業会(ACEA)は12日、欧州連合(EU)が独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス試験の不正を受けて打ち出した試験の運用厳格化をけん制する声明を発表した。「現実的な移行期間と条件」がなければディーゼル車の一部は販売できなくなり、消費者の選択肢や雇用にも影響するとしている。
EUの欧州委員会は2016年1月から加盟国で、実際に自動車が路上を走る際の排ガス量も測定する「実走行排ガス試験」の導入を目指し、17年9月から車両認証の判断に新たな試験結果を反映させるよう準備を進めている。
ACEAは新たな試験の必要性には理解を示しつつ、「二酸化炭素(CO2)排出削減目標の重要な柱であるディーゼル車の役割を損なわない」よう求めた。欧州では新車販売の約5割をディーゼル車が占めている。