【NQNニューヨーク=神能淳志】21日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は下落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で、この日から期近となった12月物は前日比1.09ドル安の1バレル45.20ドルで取引を終えた。原油需給の緩みを警戒した売りが優勢だった。
米エネルギー情報局(EIA)が21日発表した週間の石油在庫統計では原油の在庫が前週から増加した。市場予想も大きく上回ったため、先物には目先の需給緩和を嫌気した売りが広がった。
石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国が開いた専門家会合では減産に向けた具体的な話し合いはなかったと伝わった。減産に向けて動き出すとの見方は少なかったものの、将来に渡って高水準の原油生産が維持されるとの観測も引き続き相場の重荷となった。
ガソリンは続伸し、ヒーティングオイルは3営業日ぶりに反発した。
ニューヨーク金先物相場は反落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である12月物は前日比10.4ドル安の1トロイオンス1167.1ドルで終えた。米利上げ時期が遅れるとの観測を追い風に、このところ金先物が上げの勢いを強めていた反動から目先の利益確定を目的とした売りが優勢だった。
外国為替市場でドルがカナダドルやオーストラリアドルなど対資源国通貨を中心に強含んだことも、ドルの代替投資先とされる金の先物の売りにつながった。
銀やプラチナはともに反落した。