日銀の黒田東彦総裁は30日、金融政策決定会合の終了後の記者会見で、2016年度後半頃に達成時期を後ずれさせた物価上昇率2%の目標について「下げるとか上げるとかは全く考えていない」と述べた。日用品や食料品の値上がりが消費者の負担につながるとの見方に対しては、消費者物価指数(CPI)に実勢より強めに出やすいという「上方バイアス」が存在することなどを理由に「2%の実現が生活水準の向上に必要」と説明した。
黒田氏は「物価の基調は着実に改善している」と改めて強調した。持続的な物価目標の達成に向けては「物価だけが上がればいいわけではなく、賃金や企業収益の上昇を伴う必要がある」と指摘の認識を示した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕