キヤノンは4日、フルハイビジョン(フルHD)の約16倍の解像度になる「8K」の業務用映像制作システムを公開した。8K映像の撮影カメラから表示ディスプレーまでを一貫したサービスとして提供する。肉眼に近い実物感のある高精細映像を見られる。デジタルカメラ市場が成熟するなか、次世代の映像技術で映画や放送分野の新市場創出につなげる。
同日開幕した5年に1度のキヤノンの技術展示会「キヤノンEXPO」で披露した。独自開発のCMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサーを使った有効画素数約3539万画素の8K映像を撮れるカメラと、高コントラストで広い色域を表示できる8Kディスプレーを組み合わせた。
発売時期は未定だが、今後5年間の映像技術の頂点を8Kと位置づけて関連技術の開発に力を注ぐ。まずは業務用で8Kの映像技術を蓄積し、将来は消費者向けにも応用して商品競争力の向上につなげる。
展示会では8Kのほか、360度の全方位映像を体感できる技術や、超高精細なインクジェットプリンター、ネットワークカメラと人工知能(AI)を組み合わせて監視対象者を高速で検出する技術なども披露した。