埼玉県熊谷市の6人殺害事件で、県警は4日、無職、白石和代さん(84)を刺殺したとして、殺人と住居侵入の容疑で、ペルー人のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン容疑者(30)=夫婦刺殺容疑で逮捕=を再逮捕した。ナカダ容疑者は頭のけがの治療で入院していたが同日退院し、熊谷署に身柄を移送された。
白石さんの事件の前に殺害された田崎稔さん(55)の自宅から、妻美佐枝さん(53)のスマートフォンをナカダ容疑者が持ち去り、白石さん宅に放置した疑いがあることも捜査関係者への取材で分かった。県警は、一連の事件に関与したとみて捜査している。
再逮捕容疑は、9月15日から16日までの間に、熊谷市石原の白石さん宅に侵入し、刃物で白石さんを突き刺すなどして殺害した疑い。容疑の内容を「うそです」と供述し、否認しているという。
県警によると、白石さんの遺体は9月16日、ふたをされた浴槽の中で見つかった。和室にあった血痕の上には玄関マットがかぶせられており、ナカダ容疑者が事件の発覚を遅らせようとした疑いもある。
ナカダ容疑者は、白石さんの後に殺害されたとみられる加藤美和子さん(41)と娘2人の自宅から転落して頭を負傷し入院。10月8日に退院し、田崎さん夫婦の殺人などの容疑で逮捕された。その後、頭の手術が必要だとして再入院し、勾留の執行が一時停止された。
さいたま地検は4日、夫婦刺殺に関する殺人と住居侵入の容疑を処分保留とした。〔共同〕