トヨタ自動車は6日、人工知能(AI)の研究を手掛ける新会社を米シリコンバレーに設立すると発表した。米国防省の国防高等研究計画局(DARPA)でロボットのコンテスト運営に携わったギル・プラット氏を最高経営責任者(CEO)に招き、5年間で10億ドル(約1200億円)を投じる。幅広い分野で応用が見込まれるAIの開発体制を大幅に強化する。
人工知能技術開発の新会社設立を発表し、握手するトヨタ自動車の豊田社長(右)と新会社のCEOに就任するギル・プラット氏(6日午後、東京都港区)
2016年1月に「トヨタ・リサーチ・インスティテュート」を米カリフォルニア州パロアルト市に設立する。AIの研究で先行する米スタンフォード大学の近くに拠点を構え、200人規模の社員を確保する考えだ。
トヨタはAIを注力分野のひとつに据え、自動車や生産分野などへの応用を目指している。9月にスタンフォード大や米マサチューセッツ工科大学(MIT)と研究で協力し、5年間で約5000万ドルを投じる計画も公表している。今月には三井住友銀行などとファンドを設立し、関連スタートアップ(新興企業)への投資を進める計画だ。