デンソー副会長からトヨタ副社長に就く小林耕士氏(デンソー提供)
トヨタ自動車は28日、副社長を4人から6人に増やすと発表した。来年1月1日付。相談役でグループの自動車部品大手、デンソー副会長の小林耕士氏(69)と、トヨタ専務役員の吉田守孝(60)、友山茂樹(59)の両氏をあてる。
トヨタは例年、役員体制を春に見直してきたが、年初に前倒しする。自動運転や電気自動車をめぐる開発競争や、保護主義を掲げる米トランプ政権の動向を踏まえ、経営体制とグループの連携を強化する。
小林氏はトヨタから2003年にデンソーに転じ、15年6月から副会長。トヨタでは経理や国内営業を担当し、豊田章男社長(61)の上司だったこともある。副社長として財務と危機管理を担当する。
ことし4月からトヨタの相談役に就き、政財界との窓口を担ってきた。名古屋商工会議所の副会頭も務めている。
吉田氏は中型車担当の社内カンパニーのトップ。次世代車両の開発を引き続き指揮する。
友山氏は豊田氏が若いころからITを使った新事業をともに手がけてきた。車載端末を使った通信サービスやモータースポーツは引き続き担う。トヨタ生産方式で生産性を高める新しい部署のトップを兼ねる。
いまの副社長からは永田理氏(60)が外れる。取締役にはとどまる。
また、自動運転技術に欠かせない人工知能の研究を担う米国子会社トップ、ギル・プラット氏(56)を新設する技術系のポスト、フェローにあてる。副社長級という。